法人の場合には、所得にかかる税金は所得税と事業税です。しかしながら法人の場合には、所得にかかった所得税にまたかかる住民税という税金があります。所得税の金額に、住民税率をかけて、住民税額が出されます。所得の金額そのものにかかるわけではなく、所得税の金額にかかります。住民税には内訳があり、都道府県民税と区市町村民税があります。さらにそれぞれが所得税割と均等割りというものに分かれます。計算をするときは、都道府県民税と区市町村民税をまとめて住民税として計算すると簡単です。法人の場合の住民税は、所得税割が17.3%、均等割りが7万円です。法人の場合は所得が1000万円だとすると、所得税額が236万円になりますので、236万円に17.3%をかけて、さらに7万円を加えると、結果として47万8280円になります。
個人の場合の住民税は、法人の場合の住民税とは異なり、所得税の金額ではなく、所得の金額そのものにかかります。個人住民税は、所得税割が10%、均等割りが4000円です。個人の場合は所得が1000万円だとすると、これに10%をかけて、さらに4000円を加えると、結果として、100万4000円になります。個人住民税は所得にかかるので、金額が多くなります。法人の方が住民税が少なくなります。
ここでまとめとして所得が1000万円の場合に所得税と事業税と住民税を全部合わせると、どのくらいになるかを比較します。法人の場合は352万2280円、個人の場合は312万3000円になります。所得が2000万円の場合は、法人で800万1280円、個人で806万3000円となります。

法人の場合でも個人の場合でも、所得には所得税以外に事業税という税金もかかります。所得税は国が課している税金でしたが、事業税は都道府県に納めます。個人の場合の事業税の税率は一律5%です。法人の場合の事業税の税率は、所得の金額によって異なります。400万円以下の部分については5%、400万円を超えて800万円以下の部分については7.3%、800万円を超えた部分については9.6%となります。所得税のときに個人の方が幾つもの段階に分かれていたのに対して、事業税の場合には法人の方が幾つもにわかれています。しかし法人の場合は最低でも5%なので、所得金額がいくらになろうとも、個人の場合のほうが事業税額は少なくなります。しかも個人の場合には控除もあります。所得金額から290万円を引いた金額に税率をかければいいということになっています。すなわち、所得金額が1000万円だった場合、1000万円から290万円を引いた710万円に対して、0.05をかければよいのです。これを計算すると35万5000円になります。一方の法人の場合にはどうなるかというと、同じ所得1000万円で、400×0.05+(800-400)×0.073+(1000-800)×0.096=68.4万円ということになります。実際に計算してみてもやはり法人よりも個人の方が事業税の税額が少なくなっていましたね。

個人事業主として営業したときの所得税率は、所得金額に応じて細かく分かれています。法人の所得税率は22%か30%かのどちらかでしたが、個人の場合は違います。所得金額が195万円未満の部分については5%、195万円以上330万円未満の部分については10%、330万円以上695万円未満の部分については20%、695万円以上900万円未満の部分については23%、900万円以上1800万円未満の部分については33%、1800万円以上の部分については40%となっています。6段階にも分かれています。例えば所得金額が1000万円だとすると、所得税額は、195×0.05+(330-195)×0.10+(695-330)×0.20+(900-695)×0.23+(1000-900)×0.33=176.4万円となります。所得金額の1000万円が、900万円以上1800万円未満の間に入るからといって、1000万円に0.33をかけてはいけません。そうすると、所得税の金額が330万円となってしまい、間違いということになります。正解は176万4000円です。同じ所得金額1000万円では、法人の所得税の場合は236万円になりますので、個人事業の方が所得税が少なくなります。所得が2000万円として計算すると、個人事業の場合は520万4000円、法人の場合は536万円となって、両者の所得税額の差は縮まります。